会長挨拶

2024年 会長挨拶

 

 間もなく2024年度を迎えるにあたり一言ご挨拶を申し上げます。

 昨年5月に新型コロナ感染症が5類に移行され、3年余りにわたり続いたコロナ禍での制限がなくなり、ようやく当会の活動も従来の形に戻りつつあります。コロナ禍での3年余り、全日本柔道連盟のガイドラインに従い、不自由な練習環境におかれた青少年、保護者指導者の皆様のご苦労をねぎらうとともに今後の更なる成長に期待をしたいと思います。

 2023年度は、春、秋の区民大会及び対外試合等を行い、所期の事業を滞りなく終了出来ました。改めて役員並びに関係各位に深く御礼申し上げます。

 さて、本年はいよいよパリオリンピック・パラリンピックが開催されます。柔道日本代表選手たちの活躍を心から願うと同時に減少傾向にある柔道人口の増加を図るチャンスになればと思います。

 ここで、改めてオリンピックと嘉納治五郎師範との関連について想起したいと思います。

 嘉納師範は、オリンピック運動の創始者、フランスのクーベルタン男爵が提唱する「スポーツによって人類の平和共存をはかる」という理念に共鳴され、1912年のストックホルム大会で日本を初出場に導かれました。その後もアジア初のIOC委員として国内はもとより世界中でオリンピック精神の普及に尽力されました。1940年(昭和15年)には東京でのオリンピック開催を決めたIOC理事会からの帰国途中で帰らぬ人となりました。結局、この時の東京オリンピックは日中戦争の激化に伴い日本が開催を返上するということになりました。泉下の嘉納師範の落胆はいかばかりだったでしょうか。

 現在でも、ウクライナ戦争、中東ガザ地区での紛争など世界の政治状況は「世界平和」とはどんどんとかけ離れていくのではないかと危惧しています。

 「精力善用・自他共栄」の理念は柔道だけでなくスポーツ全体に通ずるものだと考えます。

パリのオリパラの舞台でアスリートたちが輝き、スポーツの力による平和な世界の実現に一歩でも近づくことができるよう精一杯応援したいと思います。 


2024年3月吉日


中野区柔道会会長

濱本 敏典